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研究テーマ

 

PD 朝波史香

海岸マツ林の保全管理とローカルガバナンス

 

 重要なグリーンインフラの一つである海岸マツ林は、現在その多くは放置に伴う遷移や松枯れ病によって劣化してきている。多様な機能を有する海岸マツ林の持続的な保全管理を誰が、どのように担うのか、またそのための予算はどうするのか、といった課題に対して地域の自治体による海岸マツ林の保全・管理、活用の仕組みの到達度を、ガバナンス論を用いて評価し、持続的管理・活用を支える上で有効な仕組みを検討することを目的とした。 タイプが異なる6地域(図1)を選定し、それぞれの地域で活動をおこなっている地域の方々や関わる行政担当者等に半構造化インタビューを行い、参与観察、文献調査をおこなった。そして其々の地域の海岸マツ林の管理の仕組み図を作成した(図2)。 続いて松下・大野(2007)、八巻ほか(2011)のガバナンス論に沿いながら、よく知られている Rhodes(1997)の4つのガバナンス指標と、自立した活動に必要なアドボカシーの視点(森 2017)を加え、8つの評価項目でそれぞれの地域を相対的に評価した(表1)。 そして海岸マツ林の保全・管理における協議会の役割と機能をまとめ(表2)、持続的に活動をつづけるために必要なローカルガバナンスの要素を抽出した(図3)。

 

 

PD 佐藤雄大

「レーダーを用いたコウモリ類に対する環境アセスメント手法の開発 〜暗闇の高空域に舞う飛翔動物の識別を目指して〜」

 近年,原発に代わる再生可能エネルギーとして風力発電に対する期待が高まる一方,鳥やコウモリの風車衝突事故が国内外で大きな懸念となっています.風力発電所の建設に伴う負の影響を回避または低減するためには,事前の環境アセスメントにおいて,建設予定地の上空を一体どれほどの数や種類の飛翔動物が利用しているのかを明らかにすることが重要となります.しかし,夜空を飛び交うコウモリについては,観察の難しさや適用可能な手法の制約から,その飛翔数を把握すること自体,依然として難しい状況です.こうした課題を解決するため,私達の研究室では船舶用のXバンドレーダーを用いることで,(1)人の目には見えない広大な夜空の中からコウモリを検出し,(2)飛翔数を定量化した上で,(3)風車への衝突リスク予測を可能にする手法の開発を目指しています.これらのことが可能になれば,夜間に飛翔するコウモリの風車衝突を未然に防ぐ環境アセスメント手法の確立に貢献できると期待されます.

D2 戴帰航​

「四国における絶滅危惧種ツキノワグマの生息地評価と保全」

 ツキノワグマ (Ursus thibetanus) はかつて本州、四国、九州の冷温帯広葉樹林に広く生息していたが、西日本では生息域の分断や森林構造の変化、人間活動の影響により、個体数が激減している。特に四国の個体群は「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定され、推定個体数は20頭未満である (日本クマネットワーク 2014)。しかし、これまでの研究では長期的な植生変化とツキノワグマの生息適地との関係を詳細に分析したものは少ない。そのため、本研究では、四国のツキノワグマの個体数が回復しない要因を明らかにするため、西日本(四国、中国、紀伊半島、九州)における生息地の植生変化や、絶滅を招いている要因の特定を行う。また、絶滅の危機に瀕する四国のツキノワグマの保全方策を提言するとともに、社会実装に向けた合意形成を目指す。

M2 兒玉博之

「猛禽類サシバの渡りにおける飛翔特徴と環境条件との関係性」

 風力発電の増加に伴い、鳥類への衝突事故や生息地への影響が懸念されており、実際に2023年1月時点で絶滅危惧種に認定されている猛禽類のタカ目は210羽が事故にあっています。こういった影響に対する対策であるセンシティビティマップには高度情報が含まれていないため、衝突リスクの高いエリアを読み取ることができないという課題があります。そこで本研究では測距双眼鏡という3次元の位置情報を高精度かつ連続的に取得できる機材を用いて調査を行いました。目的としては、猛禽類サシバの渡り時における飛行高度を明らかにし、地形要因と飛行高度の関係性から、飛行高度を予測するモデルを構築することです。

M2 冨田聖夢

「絶滅危惧の四国のツキノワグマ保全の枠組みづくりー地域との共存を目指してー」

 四国ツキノワグマの絶滅回避は喫緊の課題であるが、クマの保護・増殖を行おうとする時、人との共生関係に新たな問題を引き起こす可能性もある。そのため、アクションリサーチを通じて、地域住民へのヒアリングやWSを実施し、これからの森づくりを地域が主体となって考えることで、クマの保護活動と地域創生のあり方を検討する。そして、クマと人と森の共存に向けた地域活性化を図る。

M1 猪股研斗

「蓮田における農薬の使用量が昆虫量およびコウモリの活動量に与える影響」

 日本の農業では、生産効率向上のための大規模化や化学肥料・化学農薬の使用が進められる一方で、生物多様性の喪失が深刻な課題となっています。この問題への対策として、有機栽培や殺虫剤の使用量削減など環境保全型農業が導入され、その効果が生物種によって異なることが指摘されています。研究ではコウモリ類に注目しており、彼らが農地の害虫を捕食することで農業に貢献するとともに、生物多様性保全の指標生物としての役割が期待されています。徳島県では、コウノトリの飛来をきっかけに、鳴門市の蓮田で減農薬栽培やビオトープ化による保全活動が進められています。本研究では、従来型農業、減農薬農業、NPOが造成したビオトープの3環境間でコウモリの採餌活動や昆虫量を比較し、その関係性を解明することを目指しています。

M1 高谷直希

「兵庫県北部におけるコウノトリの飛翔特性と他の鳥類との比較」

 

​ 兵庫県北部におけるコウノトリの飛翔特性を明らかにするために、コウノトリの利用高度ごとの利用率を明らかにし、コウノトリと他の鳥類の飛翔高度や飛翔速度、飛翔高度の上昇率を比較した。

M1 PARK MINJU

「韓国におけるツキノワグマ導入個体群が利用する森林植生とその連続性評価」

 韓国ではツキノワグマの復元事業が成功裏に進められている一方で、個体数の増加に伴い、生息地の分断や人間との衝突が新たな課題として浮上している。本研究では、ツキノワグマが餌資源として選好する森林の特性を分析し、その利用傾向を明らかにする成果を得た。今後は、森林の地形や土地利用、人間活動の影響を統合的に考慮した動的な分析を通じて、ツキノワグマの将来的な生息地の拡大と人との共存を実現するための管理方策を提示する研究へと発展させていくことを目指している。

B4 大西幸太

B4 大橋拓峰

B4 岡本瑞季

B4 波多江律騎

B4 福武未紗

B4 米澤亮玖

 

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